まどかの戯言集

美しく、生きたい。

【男性視点版】「出会う男すべて狂わせるガール」と出会った男はやがてナンパ講習に参加し、そして恋愛工学を学ぶ。

2、3年前の夏頃

僕は友人のけんとくんと一緒に渋谷の星乃珈琲店にいた。

 

僕は『anan』のセッション特集を、けんとくんは表題にもある『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』を本屋さんで事前に購入し、お互いに回し読みをしていた。その頃けんとくんはまだ独立していなかったので、某大人の恋愛メディアで働いていた時期だろうか。

 

正直に言うと、僕は奥田民生に詳しくない。邦ロックの人かな?程度の印象だったし、そして今も、その印象は変わらない。そんなアーティストに憧れる男の物語だから、あまり期待せずに読んでみると、それはそれは驚いたことを今でも鮮明に覚えている。

 

「あー、好きなアーティストこそ違うものの、TAMIO BOYってxxじゃん 狂わせるガールは○△□ちゃんだったな。。」

 

と。

 

この作品の主人公は奥田民生に憧れる編集者。

 

この物語は、その編集者と仕事仲間、そして「出会う男すべて狂わせるガール」の物語である。

 

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奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール - 映画・映像|東宝WEB SITE

 

なぜ奥田民生に憧れるのか?

主人公はこの作品でその理由を何度も繰り返す。

 

「ミュージックステーションに出演した奥田民生は普段着のシャツにダボダボのジーパン姿だった。ふとタモリさんがそのジーパンについたシミについて民生に尋ねると『さっき食べたラーメンの汁がはねた』と言った。途端に会場は大爆笑。アーティストやミュージシャンは派手に着飾るものだけど、そのありのままの抜けた感じの民生があまりにもカッコよく見えた、誰に対しても着飾ったり自分を変えることない態度。だけど決めるところではしっかり決める。そんな民生はとってもカッコよく見えた。だから俺は民生に憧れて、そして今もずっと憧れ続けている」と。

 

大体の人は大人になるにつれて、自分を貫くことよりも、社会の中で平穏に・穏便に過ごすことができるような生き方をするようになる。争いを避け、波風が立たないように、そして大衆に嫌われないように。作中の言葉を借りて言うのであれば「魂は売らず、心を売って」生きる方法だ。

 

それとは対照的である奥田民生は言うまでもない。

 

だって、誰もが厚い舞台化粧をして特別の衣装を身にまとうミュージックステーションの舞台で、普段着のシャツとジーパンで、しかもさっき食べたラーメンの汁がはねたのをそのままで出演するのだから。

 

仰々しい言葉を使うなら「反体制」的なスタイル。ロックミュージックの歴史的な見解についてここで議論する気はないけど、音楽にはそういった思想が含まれていることは多々あるし、もしかしたら奥田民生もそうなのかもしれない。僕は何も知らないけど。

 

要は、ありのままの自分がかっこ良い、着飾らない自分がかっこ良い、そういう自分に酔いしれている、”下北沢”とかにいるような男がこの作品の主人公。

 

顔が悪いわけじゃないけど、変にめんどくさいやつだ。大学やサークルにそういうやつ、一人はいだだろう?僕は軽音サークルにいたので、そういうやつばっかりだった。社会不適合者のあつまり的な。

 

依存した男

そんな非モテ感満載な主人公は狂わせガールと出会ってしまった。劇中で言えば水原希子。あんな美しい女性と一緒に働くことになり、その仕草すべてに翻弄され、魅了される非モテ男子の妻夫木聡。彼女の後ろ姿を盗撮しようとするシーンが、非モテ感を象徴していて上映中に笑わずにはいられなかった。

 

狂わせガールにとっては挨拶以下程度のボディータッチも、非モテにとっては会心の一撃を食らうレベルの攻撃で、あっという間に民生BOYこと妻夫木聡は狂わせガールの虜になってしまった。

 

 

このシーンで妻夫木聡は、ひっきりなしにLINEと電話がなる水原希子を案じて事情を尋ねてみると、水原希子は「彼がDV気味で、、すごい束縛症で、、iPhone3回も壊されちゃって、、」と涙ながらに告白。当然のように手を自ら民生BOYの手に重ねる狂わせガール、流石としか言いようがない。

 

こうやって、あっと言う間に民生BOYは狂わせガールの手のひらの上で踊ることになってしまった。

 

彼は思わずその場で告白し、もちろん狂わせガールにとっては告白されようがされまいが、その場では、彼がちょうど、今の自分の心の隙間や時間の暇を埋めてくれるので、簡単に空の小切手「付き合う」を切る。非モテくんは大喜び。

 

そうやって彼女と付き合うことになった民生BOYは舞い上がる。なんたってあんなにキレイで美しい女性と”付き合う”ことになったのだから。たくさんデートをして、たくさんセッションする。たった数ヶ月とは言え彼にとっては天国のような毎日だった。

 

しかしふとしたきっかけで彼は彼女の機嫌を損ねてしまう。

 

もちろんコミュニケーションの主導権を握っているのは狂わせガールなので、非モテ民生BOYはものすごい非モテコミットをしてしまう。既読にならないLINEを連続で何度も送り、すごい長文を送りつける。挙げ句の果てには彼女の仕事場で張り込み、彼女が仕事を終えて出てくるところに凸する

 

うん、ストーカー感満載。

 

流石にここまではいかなくても、急にフラレてこのような心情になったことがある非モテ・元非モテの男性の方はたくさんいるのではないだろうか。自分よりもはるかに格上の女性と付き合うことができ、夢のような毎日が続くも、それが突然になくなってしまうのだから。当たり前のように行われていた毎日の彼女とのセッション、週末のデート、週半ばの仕事終わりのサク飯。

 

いつのまにか非モテ民生BOYは狂わせガールの手のひらの上で踊り、依存するようになっていた。

 

だからこそ、それが突然になくなってしまうと、いてもたってもいられなくなる。

 

そして民生BOYは非モテだから

 

「俺が悪かった、、希子ちゃんの理想の男になるからー(T_T)」

 

とダサく、彼女の下手に出て無様な姿で謝る。そんな自信の無い姿を女性が見たなら、100年の恋も冷めてしまうだろう。そう、非モテコミットこそ最大の悪なのだ。

 

民生BOYは民生BOYではなくなった

本編では、結局民生BOYは右往左往するも、フラレて水原希子演じる狂わせガールは字の通り彼の前から消えてしまう。そして場面は3年後に移る。

 

民生BOYはいつの間にか昇進して有名な編集者になっていた。彼は以前のようなチェックシャツやパーカーを着てヘッドフォンをしている姿ではなく、キレイめなファッションになっていて、コートにに伊達メガネをかけた、いかにも「イケてるクリエーター風」の姿。狂わせガールにフラレて、火がついたのか、それとも目が冷めたのか、彼は仕事に熱中したのか。

 

  • 相手が望んでいる自分になること
  • 相手が欲している言葉を言うこと、それは正しくても、正しくなくても良い

 

そうやって仕事をして人と接するようになった彼は昇進したと劇中で彼の言葉で説明があった。

 

でもふと振り返ると、これってまさに「狂わせガール」が民生BOYにやっていたことだよね、と思わずにはいられない。彼はこうやって社会・世間に迎合することで、社会的には成功する。民生BOYはもはや民生BOYではなくなっていた。ある種ハッピーエンドなのかもしれない。

 

 

そして男はナンパをする

ただ、現実であればこんなにうまくは行かないだろう。

 

もし、現実の非モテ男子がこのような状況に陥ったら100%2,3ヶ月、下手したら半年から1年は人生のどん底のような顔をして毎日を過ごす。非モテコミットは一層増し、ブロックされている彼女のLINEにひっきりなしに届かないLINEを送る。それでも、いてもたってもいられず、心の穴は埋められず、どうすればこの状況を打破できるのかと考え出す。

 

ある人は民生BOYがしたかもしれないように仕事に熱中するのかもしれないし、ある人は趣味に没頭するのかもしれない。

 

そしてある人は、Twitterを見て「ナンパ講習」や「恋愛工学」と言う怪しげなものに興味を惹かれるようになるのかもしれない。

 

そうしてナンパ師と呼ばれる人たちとつるむようになり、有名なナンパ師のもとでナンパ講習を受けたり、『The Game』というナンパ本の聖書を読んだり、日本のナンパ本の聖書とも言える『僕は愛を証明しよとと思う』という本を手に取り、実際にそこに記載されているセリフやルーティンをそのまま使って女の子に声をかけたり、LINEをして、定番のデートコースで定番のセリフを言っているのかもしれない。

 

もし、この記事を読んでいる方が女性で、マッチングアプリで「可愛すぎてムカつく」「彼氏3人はいるでしょ?」なんて文章がきたら、間違いなく相手は「恋愛工学」を学んでいる人なので少し注意しよう。そんな人達は都市の主要駅で「お姉さん、落としましたよ」と言ってツナ缶を渡すナンパをしていたりする。僕の彼女も先々週それにあったらしい。笑(彼女はちゃんとあしらってくれたので安心♡)(LINE教えていたらどうしよう、、と心配になっていたのは内緒)。(そして、彼らの中には、良い人もいるものの、ゲットした(セッションした)女性のことをTwitterのアカウントで報告している犯罪まがいのことをしている人もいて、時には裸の画像や動画を一緒にアップしている危険な人もたくさんいるので注意しよう)

 

ある種、それは、ルサンチマン、狂わせガールへの恨み、女性への復讐なのかもしれないが、行き過ぎると犯罪にもなりかねない。非モテ男性の行き場のない鬱憤はこのように暴走しかねない熱量を持っている。もちろん、ナンパが悪いわけではないし、それ自体を否定するつもりはない。行き過ぎなければ、問題ない。

 

僕もかつてはそうだったからこそ、その気持ちが痛いほどわかる。半年もの間二股をかけられ、突然フラれて、行き場の無い鬱憤のはけ先を探すどん底の毎日、ネトゲばっかりしていた毎日、女性不信になっていた毎日。「時間が忘れさせてくれる」とは言ったものの、本当に時間がかかった。この作品を初めて読んだあの夏も、まだ僕はきっとそんなどん底にいた時期だと思う。だからこそ、そんなどん底から這い上がることを手助けしてくれたけんとくんには感謝してもしきれない、POIBOY大感謝!今となっては早乙女まどかは彼女大好きアカウントである、はやく彼女と同棲したくてたまらない。

 

そして来週は、当時のどん底の僕と出会い、そして今でも仲良くしてくださっているマスターゴッホ氏や料理研究アカウントヒデヨシ氏との密会。楽しみでならない。

 

さて、そんな昔のダサくてかっこ悪い自分のことを思い出さずにはいられなかった『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』。色々と話がぶれてしまいましたが、ぜひ非モテ・元非モテのみなさんには見てほしい映画、読んで欲しい漫画です。

 

女性視点Verの記事は2、3日の間にアップしますね。

奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール 完全版

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奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール

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ぼくは愛を証明しようと思う。 (幻冬舎単行本)

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