有名美容垢の意見を丸呑みにしちゃう人を『影響力の武器』で説明する。

はじめに

 「美容」は全ての女性の永遠のテーマである。昨今様々な美容に関する医学が進歩し、技術は発展し、近年は女性という性別に囚われず、「美容男子」というワードが生まれ、男性にも広まりつつあるテーマだ。

 

 しかしながら、圧倒的に広まる美容技術・情報には、医学的に根拠がなかったり、ペテンな情報もたくさん含まれていて、知識のない人は「〜さんが言っていたからそうに違いない」と鵜呑みにしてしまい、結果的に効果も得ず多額のお金を使ってしまった、なんてケースも多く見かける。GoogleやYahoo検索をして出て来る情報にも、もちろん嘘がたくさん散りばめられていたり、ステマの口コミが溢れている

 

 あろうことか、美容の伝道師のような人が間違った情報を発信していたりするケースもTwitterではたくさん見かける。もちろん「間違っていた」と訂正する方もたくさんいるので美容クラスタには良い人もたくさんいる。少なくとも、僕がフォローしている美容垢の素晴らしい伝道師の方たちは、僕自身は、モノホンのガチだと感じている!おじょさんとか成宮さん!!いつも学ぶことばかりなのでフォロー必須であろう!!

 

 また「つい先日までは正しい情報だったのに、昨日新しい事実が明らかになりそれは間違っていることが判明した!」という事も最近では多い。科学・医療の進歩は目まぐるしいので一概にその人がペテンな情報を発信したとも言い切れないのだ。

 

 そのため、今回は「有名美容垢」の言っていることを鵜呑みにしてしまいがちな「美容に興味があるけれどどの情報が正しいのか判断するのが苦手」な人たちの行動を、人間の持つ普遍的な2つの原理を用いて説明する。

 

 そして、そのように与えられた情報をそのまま鵜呑みにしないように、不幸にならないように、無駄な出費をしないように、最後に微力ながら、僕からみなさんに情報を判断する時に使えるスキルをちょっとだけ伝授しようと思う

 

 

 今回のエントリーに登場する2つの原理は「社会的証明」「権威」だ。この2つはロバート・B・チェルディーニ著の『影響力の武器』に準拠している。それぞれの原理を簡単に説明し、僕達が普段の生活の中でどれほどこの2つの心理作用に決断が影響されているか知ることから始まり、みなさんの行動を説明していき、最後にスキルを説明する。

 

社会的証明

 社会的証明の原理は、人がある状況で何を信じるべきか、どのように振る舞うべきかを決断する時に重視するのは「他の人々がそこで何を信じて、どう振舞っているか」というものだ。

 

 他人を模倣しようとする強い心理作用は、購買の意思決定から恐怖心の低減まで様々な行動領域において認められている。また、この原理は「不確かさのある状況」と「類似性が認められる状況」において、より強い効果を発揮することが判明している。

 

 自分の決定に確信がないとき、或いは状況が曖昧なとき、他の人々の行動や意思決定に注意を向け、それを正しいものとして受け入れようとしてしまいがちだ。

 

 例えば、はじめて来たお店で注文を迷っている時、たまたま隣の席の人が注文していたものが見えて、それが美味しそうと感じたのでそれを注文した、というのは良い例だろう。他の例を出すと、例えば自分と同じような服装の人が、好んで行っているセレクトショップに自分も足を運んで見る、もそれの1つだ。

 

 僕達は決断を行う時、不確かさや類似性を理由に、それをある種、外部に責任を押しやることで、思考停止して決断していることがしばしばあるだろう。これが社会的証明の怖さであり、無意識のうちに社会的証明の原理に沿って動いてしまう僕達の思考停止の決断パターンだ。

権威

 権威の原理は、僕達が過ごしている社会で、権威からの要求には、例え正常で心理的に健康的な人であっても、自分の意に反していたとしても、逆らうことなく、権威者に従ってしまうというものだ。

 

 「本当の権威者は、例えば知識も経験も僕達よりはるかに多くを蓄積しているのが普通なので、そうした人の考えていることは、僕達が考えることより正しいに違いない、そうした人の命令に従うことは適応的な行為であって、社会正義である場合が多い」と思考停止に陥り、僕達の決断のプロセスに影響する。権威(専門家)の言っている内容を吟味することなく、ただただ「専門家の人が言っているから間違いない」という風に

 

 このような理由で、権威者に対するある種の服従は、短略的な意思決定として、多くの場合思考が伴わない形で無意識のうちに生じてしまいます。権威と言ってもそれは様々で、例えば偉い政治家なんかはまさにそうだし、自分の好きな評論家が言っていることを鵜呑みにしてしまうこともそうだ。

 

 また、そういった個人でなくても、シンボリックなものに対する服従も存在していて、例えば「キチンとしたスーツを着ている男性」に対しては「きっとちゃんとした仕事をしている人に違いない」と思い込み、彼の発言に一目置いてしまうだとか。「スーツ着てると3割増し」なんて、まさに。

 

 それこそ「名刺の肩書」もそうで「プロデューサー兼ディレクター」なんて自己紹介されたならば「この人はプロジェクトの生みの親でもあり、ディレクションも見ていて、凄い幅広く仕事ができる偉い人に違いない」だと思い込んでしまい彼の「なぜプロジェクトは遅延するのか」という持論込みこみのスライドショーの内容を鵜呑みにして、全く違う業種やケースなのに、自分のプロジェクトで同じようなことをそのまま実践してしまうだとか。これが権威の怖さであり、無意識のうちに権威の原理に沿って、権威に服従し思考停止をして決断を行ってしまう決断パターンだ。

有名美容垢の言うことを鵜呑みにする人たち

 もう言いたいことは解っているのではないだろうか。そうです、みなさんが新しいサプリメントを購入する際や、美容に興味があるけれど、どれが何に効果的か知識が無い時に、有名垢の言っていることを鵜呑みにしがちな理由が、上で全て説明できてしまう。

 

 例えその情報が、根拠もないその人の戯言だったとしても、みなさんは簡単に信じ込んでしまう。その他のレビューやケースを集めて比較もせず「その人が言っているから..」と信じ込んでしまう、盲目的に受け入れてしまう。その人が「白くなった」と自撮りのビフォーアフターを公開していると、その写真をそのまま信じ込んでしまう。

 

 いいかい、白くなった!なんていくらでも嘘は付けるし、写真なんて今の時代は加工すればすぐ偽造できる、とても簡単に

 

 僕がカメラを趣味にしており、写真加工をよくするっていうのもあるが、美容垢の人がアップしたビフォーアフターの写真が、加工されているかどうかなんてちょっと調べれば判断出来てしまうし、自社の製品を売るために「このサプリは美白効果めっちゃあった」なんて言うステマ用美容垢をたくさんつくっている業者もいたり。もちろん、嘘をついている人もたくさん見てきた。僕はみなさんにそんな人達の言っていることを鵜呑みにして欲しくないと心から思う。

 

 「まわりの美容垢の人が同じサプリを使っているから、特に効果等調べていないけれど効果があるに違いないし、このサプリメントを買ってみよう。」は、「社会的証明」だ。

 

 オススメしている根拠を吟味せず、「〜さんがおすすめしている」「有名美容垢の〜さんが使っていてオススメしているからと言う理由だけでその人のオススメの商品を買ってしまう、これは「権威」だ。

 

 もちろん正しい情報を発信していたり、本当に効果のあるものをオススメしている人もたくさんいるので、全員が全員ペテン師であったりステマであるとは言えないが、しかしながら、そうではない人も必ず一定数以上紛れ込んでいるのも、紛れもない事実である。だからこそ、僕はみなさんに「間違った情報に流されないために」「一方的な情報を鵜呑みにしないように」するために「情報を判断する時に使えるスキル」を紹介しよう。

 

鵜呑みにする前に情報を吟味する癖をつけよう

1. 別々の情報提供者からの情報を得る

 まずは複数の情報源を漁り、1つの事柄に対してたくさんの意見を収集しよう。大学の授業の討論会や、討論大会に参加したことがある人にはおなじみの手法だが「Pro(肯定・賛成意見)」「Con(否定・反対意見)」という軸を設定して、取得した情報を2つに分けて整理していく。「なぜ肯定しているのか・なぜ否定しているのか」という「Why」の部分を深く調べることがとても重要だ。言葉の表層にだまされないように、その人がどうしてそう主張しているかをじっくり調べよう。

2. 情報の「鮮度」と「出処」を確認する

 次に、得たたくさんの情報をより吟味するために「鮮度」と「出処」に注意を向けてみよう。例えば、書かれたのが3年前の記事なんて既に古い情報だ。情報は鮮度がとても重要なのだ。常に医学も技術も進歩している。数ヶ月前は新しい技術だったものが、すでにもう過去の技術になっていることなんてしばしばある。情報は鮮度が命なのだ。そして、常に情報の「出処」や根拠の「出処」をチェックすること。もしかしたら本人が自分の判断で言っている「opinion(意見)」で根拠も何もないかもしれない。よくコンサル業界では「それは君のopinionなの?factなの?evidenceはあるの?」みたいな言葉が飛び交うが、まさにそれ。

 

 さらにさらに、もしかしたらその意見の根拠としている情報源(出処)も鮮度の低い古いものかもしれない、というケースすらあり得てしまうし、根拠としているもの自体が偽造されたものかもしれない。

 

 「これが〜を3ヶ月使って色白になった私のビフォーアフターの写真です」と、とある美容グッズの効果の根拠を自撮りの写真で説明したとしよう。その写真を見た時どうするか?「マジで白くなるんだ!凄い!私も買おう」と、僕もなってしまいそうになる。だが、そこを一歩引いて改めて考えて欲しい。「画像は加工されていないか」「そもそも色白の人なんじゃないか」「地黒の私にも効果があるのか」Etc.. 情報を目の前に、一度一歩引いてその情報を吟味する癖をつけよう。

 

 美容に関するものであれば、例えば医学的根拠がちゃんとした論文で説明されていたりしており、それを根拠として販売しているものであれば比較的正しいので購入しても問題ないだろう。そして、それを飲用する時、その販売元の公式が説明している飲用方法に従うことは一番正しい。

 

 しかし、特に根拠も確認せずにどこかの誰かが効果があると宣伝した商品やサプリメントを、言っていることを鵜呑みにして購入し、公式の使用方法や、服用方法を無視して、その人が良いと言っている方法で利用したり服用することが、どれだけ愚かか、改めて実感して欲しい

 

 意見を述べることは素晴らしい、ネットに書くことも良いことだろう。しかし、それが本当に根拠があり述べられているものなのか、それとも根拠のないただの言っただけのものなのか、しっかり判断して欲しい、しっかり判断できるようになって欲しい。そういう癖をしっかりつけよう。

 

まとめ

 さて、長くなったがまとめに入りたい。巷には様々な情報で溢れかえっている。今回は美容界隈にフォーカスしてまとめてみたが、それはクラスタが違っていても同じことだ。情報過多の世の中、正しいことも、正しくないことも、まだ良くわかっていないことも、バカげたことも、楽しいことも、悲しいことも Etc.. たくさんの情報で世の中は溢れかえっている。だからこそ、そういった情報を上手に取捨選択し、整理し、吟味し、自分にとって必要で、重要な情報を得るスキルがとても重要になってくる。

 

 しかしながら影響力の武器』のくだりでも説明したように、私達の日頃行っている判断のその殆どが様々な心理作用に影響されて、「例えそれが自分で判断したこと」だと思っていてもそうでない場合が多い。だからこそ僕はみなさんに「日頃からの情報取得の心得」を取得してもらい、そして、正しい判断を行うために「日頃の自分の判断はどういうプロセスを辿っているのか」を考えて欲しいと強く思う。よりよい皆さんの生活に、少しでも貢献できればという思いでいっぱいである。

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