東京タラレバ娘5巻(最新巻)を読んで、新しい家族の在り方について考えた。

 
 アラサー女性の必読漫画『東京タラレバ娘』の最新巻5巻が5/13(金)に発売されたので早速Kindleで購入し、出社前に読んでいました。今回もアラサー未婚女性(not 女子)にとっては、心にグサグサくるシーンがたくさん散りばめられているものになっていました。

東京タラレバ娘(5) (Kissコミックス)

東京タラレバ娘(5) (Kissコミックス)

 

 

 そのいくつかを紹介すると、例えばアラサー未婚女性や、風俗・水商売女性がのめり込みがちになる占いのシーン。

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 アラサー未婚女性の将来に対する不安、お水・風俗商売の女性の先行きの見えない不安感や孤独感を、上手いことつついて、うまいことお金にする占い師さんに僕は感服です。僕も占いスキルを手に入れたい!

 

 別の記事で詳しく書いている途中ですが、こういったスピリチュアル系の人は必ずコールドリーディングという体系化された手法を使って相手の所作や隠し切れない生理的な現象を基に相手をリーディングしているんですよね。別に悪いことじゃないですし、自分の背中を押してくれるならとっても歓迎なのですが、それを自分の絶対的な基準にしたりするのは懸命ではないかもしれません。

 

コールド・リーディング(Cold reading)とは話術の一つ。外観を観察したり何気ない会話を交わしたりするだけで相手のことを言い当て、相手に「わたしはあなたよりもあなたのことをよく知っている」と信じさせる話術である。「コールド」とは「事前の準備なしで」、「リーディング」とは「相手の心を読みとる」という意味である。 

from Wikipedia

 
 占いに行く人の大多数が女性というのはどういう理由か詳しくは調べていないのでわからないのですが、そういう女性が多い街には占い師さんがたくさんいらっしゃいます。最近だと占い師さんが経営しているBarがあったり。夜の新宿の歌舞伎町にもあって最近僕も興味本位行ってきたばかりなんです。そしたらそこにいらっしゃるのお客さんの全員が女性で、半数以上が水商売の女性、なんと有名A○女優の方も常連でいらっしゃいました。

 とまあ、このような感じで、不安や焦燥感に駆られ女性はスピリチュアル路線に走るのでしょうか。歳を重ねる毎に、積み重なるのは将来への希望ではなく「不安」。先行きの見えない日本の将来を憂うよりも、自分の行く末が不安でしかたないのかな。

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 今回の巻でもそうなのですが、前回の4巻でもイケメンKey君に言及されていたことについて僕なりに考えてみたことがあるんです。”家族の在り方”についてです。

 

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いい歳こいて

女同士で

つるんで

騒いで

 

 これって、そんなに悪いことなんでしょうか。「いつまでも未婚で女性同士てワイワイしている」 というのはいつから悪になったのでしょう。近代の家族という概念が出来上がった頃ころからでしょうか。

 

 近代家族というのは、産業化以後に出現した家族の在り方を言います。産業化が進むと、経営体としての「家」は衰退し、男性は外で働き女性は家事をするという役割分業が進展していったことは、高校の日本史や、大学の日本史関連の授業を受けた人には基礎教養として持っている知識でしょう。そうなると、家の機能は、労働力を養うことと子供を育てることに限定されていきます。落合恵美子によれば近代家族は、

 

  1. 家内領域と公共領域の分離
  2. 家族成員相互の強い情緒的関係
  3. 子ども中心主義
  4. 男は公共領域・女は家内領域という性別分業
  5. 家族の集団性の強化
  6. 社交の衰退
  7. 非親族の排除
  8. 核家族

 

といった理念的特徴によって把握でき、これらの特徴を持つ近代家族は、近代国家の形成と同時に完成したと言われています。近代家族は近代社会に特有の家族のあり方であるがため、近代化の過程で、様々な要素が絡み合って近代家族が産み落とされましたが、同時に近代家族が社会システムの一部である以上、近代社会の揺らぎとともに近代家族も否応なく変化していくことになります。

 

 社会によって変化する近代家族なのだから、今日の家族のあり方が変化していくことも当たり前と言えば当たり前かもしれませんよね。時代に適応したシステム。そうなると「結婚システム」は既に時代に適応していないのかもしれないとさえ思えてしまいます。

 

 逆に考えると、少しエッジーな言い方になってしまいますが、女性は子孫を残すことができるんですよね、生殖機能的に。男性は種でしかありません。例えば、最近だと「精子」を購入できるサービスが海外では爆発的に人気がでているようです。

 

 

 人類の最終目標を「自分の子孫を残すこと」と仮定するならば、今後こういったサービスが普及していくと圧倒的に女性が有利なんです。お金と、新しい家族の形で解決できる。こうやって「種を買い、女性同士でシェアハウスをして一緒に子育てをして楽しく暮らす」なんて未来も、とってもありえちゃう。そうなると男性の淘汰は一層進み優秀な遺伝子しか残らなくなるでしょう。まさに「男性をシェアする時代」が到来し、「結婚システム」が崩壊し、「新しい家族の在り方」が模索される時代にもう突入していると思うんです。

 

 日本に限って言えば少子高齢化が一層進み晩婚化、未婚の人の増加など憂うべき問題が山積みです。もし先ほど述べたような社会の到来を、頭を柔らかくして、みんなが受け入れれば解決される問題もたくさんあると思います。僕達はここ数十年の間に作り上げられた「近代家族」という幻想に縛られすぎてがんじがらめになっている、そう思いませんか。

 

 この視点で考えると、タラレバの3人も一緒にシェアハウスなんかして、Keyの精子でも良いし別の優秀な男性のものでも良いので購入して出産し3人で育てる、そんな未来も別に僕はあっても良いと思うんです。むしろ、それが受容される社会にならないと、一層既存のくだらない倫理観だとか、社会の物差しに縛られて息苦しくなって自滅しています。そんな未来は悲しいと僕は思います。タラレバ娘という作品は、よくも悪くも近代の倫理観や社会通念・理念をとてもリアルに表現しています。

 

 LGBTの話もそうですが、積極的にエッジー(と現在は思われている)な社会集団(家族)を作り独自の共同生活領域を作り、ボトムアップで新しい家族の形を模索し普及させていく。そして、それが当たり前の社会を作ることができれば、タラレバの3人も、そして日本のみなさんも、幸せになれるのではないでしょうか。そうすれば副次的に、日本の未来も少しは明るくなる気がしました。タラレバ娘、奥の深い作品ですね。興味があればぜひ読んでみてください。 

東京タラレバ娘(5) (Kissコミックス)

東京タラレバ娘(5) (Kissコミックス)

 

 

 

近代家族の成立と終焉

近代家族の成立と終焉